研究課題/領域番号 |
14510640
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山科 高康 千葉大学, 法経学部, 教授 (00017956)
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研究分担者 |
石田 靖夫 千葉大学, 法経学部, 助教授 (10241928)
山内 正平 千葉大学, 園芸学部, 教授 (60092110)
安孫子 誠男 千葉大学, 法経学部, 教授 (20115520)
三宅 芳夫 千葉大学, 法経学部, 助教授 (40334164)
内村 博信 千葉大学, 法経学部, 助教授 (30193907)
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キーワード | 国民国家 / 人権政治 / ヨーロッパ連合(EU) / 共和制 / 帝国 / ポスト・コロニアル / ジャコバン主義 / 戦後民主主義 |
研究概要 |
本研究は、ベネディクト・アンダーソンによる想像の共同体としての「国民」の定義と、ダニエル・シボニーの「起源をめぐる逆説」という二つの命題を前提にしている。前年度は、統合へと向かう現代ヨーロッパの問題点を検討することからはじめたが、今年度は、国民国家が創設された当時に、その起源にさかのぼってその歴史的・社会的条件を検討し、国民国家の機能とその限界を検討することを中心に研究会を行なった。 第1回研究会(15年7月3日)では、15年度の研究会の実施計画について検討した。第2回研究会(15年7月10日、担当:石田)では、「デラシネ」という概念を手掛かりに第三共和制と戦後のフランス社会において排除されてきたアルジェリア人の問題をテーマとした発表があった。第3回研究会(15年10月28日)では、千葉大学社文研助手の長谷川秀樹氏に研究協力者として、「コルシカ民主主義の形成、発展、衰退」というテーマで、フランスの地方社会の国民意識と民主主義の問題をテーマに発表してもらった。第4回研究会(15年12月17日、担当:安孫子)では、内田義彦を対象に日本の戦後民主主義における市民社会と国家について発表があった。第5回研究会(16年1月14日、担当:山科)では、ドイツ・バロック期における言語政策をテーマとする発表があった。 国民国家というものが現実政治の分野においてと同様に私たちの日々の感じ方と思考の仕方においてもあいかわらず支配的な枠組みの一つであり続けている。他方、国民国家は新たな遠隔通信の現出、経済的実践によっても脅かされることで、自分自身の限界にも直面している。国民国家をめぐる私たちの研究は、こうした国民国家の一端を明らかにしえたのではないかと考える。
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