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2004 年度 実績報告書

ローマ契約法における無名契約の位置

研究課題

研究課題/領域番号 14520008
研究機関京都大学

研究代表者

林 信夫  京都大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40004171)

キーワード無名契約 / 契約 / 訴権 / 方式書 / 諾成契約
研究概要

最終年度としての今年度は、「研究実施計画」記載の3点を中心に研究を進め、第1に、過去2年間において収集できていなかった無名契約関連史・資料の補充、そのデータベース化を行った。
第2に、理論化作業に関しては、無名契約が紀元前後頃から個別的に法的承認を受けていくことはすでに明らかにしたが、このことは紀元前3〜2世紀以降個別的に、かつ4類型についてのみ法的承認を受けた諾成契約のあとを継いで、伝来のローマ契約法の基本観念を崩す方向性をさらに一歩進めたとの認識の下で行われた。すなわち、無名契約においては、(1)要式性を要求されないこと、(2)契約-訴権-方式書という個別関係性が薄められたこと、の2点において、そのように言われ得るが、しかし、(3)先履行性が要求されることが大きな特徴として登場する側面も見逃されるべきではない。
第3に、法制史学会第52回研究大会(平成16年11月27〜28日、於京都大学)シンポジウム「法が生まれるとき」の準備段階から関与し、総括発表したことは、特に第2点の理論化作業を進めるにあたって多くの参考となる点を得た。無名契約の個別承認現象は、従来の制度で対応できない新たな法や制度の誕生だからである。
第4に、しかし、いわゆるローマ契約法に包摂されて説明されることのない制度であるものの、ローマ国家内の地域によっては「契約」と考えられていた制度(例:婚姻)の存在とその解明という問題が新たに登場したが、これは別の機会により深めることとせざるを得なかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] リーウィウスにみる「国際関係」の淵源と法2005

    • 著者名/発表者名
      林 信夫
    • 雑誌名

      法学論叢 156-3=4

      ページ: 1-19

  • [雑誌論文] アルバロ=ドールスAlvaro d' Ors教授を偲んで2004

    • 著者名/発表者名
      林 信夫
    • 雑誌名

      法史学研究会会報 9

      ページ: 103-109

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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