前年度までの分析を踏まえ、プロとシロウトの意思疎通を図る上でどのようなコミュニケーション手段が適切であるかについて調査を行った。 1.法律非専門家へのインタビュー (1)紛争に遭遇し、紛争処理の制度を利用したことのある法律の非専門家を対象にインタビュー調査を行った。対象者は訴訟の原告、訴訟の被告、および調停の申立人になった法律非専門家3名である。 (2)今回のインタビューでは、デプス・インタヴューの手法を使用した。インタビューでは、はじめは被調査者に自由に事案について述べてもらった。その後に、(1)弁護士との詳細なやりとりとそれに対する評価、(2)相手方とのやりとりとそれに対する評価について尋ねた。さらに紛争に対する一般的な態度についても質問した。 2.法律専門家へのインタビュー (1)さらに1と対比させるために法律専門家である弁護士に対してインタヴューを行った。対象者は、1の被調査者の代理人であった弁護士1名である。 (2)インタビューにおいては、担当した事案についての詳細な説明と弁護士としてのそれに対する評価について尋ねた。さらに紛争に対する一般的な態度についても質問した。 3.これらのインタビュー調査の結果、法律問題に関する認知や思考についての被調査者としては社会経験が大きく影響することが明らかになった。
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