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2002 年度 実績報告書

「贖罪と刑罰」の歴史人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 14520011
研究機関熊本大学

研究代表者

若曽根 健治  熊本大学, 法学部, 教授 (40039970)

キーワード血讐 / 客人 / フェーデ / アジール / 巡礼行 / 和解 / 多元的法体制 / 法文化
研究概要

I 研究資料の収集
本年度は3箇年に及ぶ研究の初年度であったので仕事の1つは「贖罪と刑罰」に関する研究資料の収集にあてた。(1)ヨーロッパ法史上の資料としては、とくに原始キリスト教およびグレゴリウス改革関係の文献を収集した。(2)中国法、朝鮮法、ベトナム法、ユーラシア北方法、蒙古法、インド法、イスラム法に関する法史学関係の基本書の収集にあたった。関係の史料書として中国歴代刑法志・朝鮮李朝時代秋官志の収集に従事した。(3)法人類学、宗教人類学、文化人類学、比較法学関係の文献の収集にあたった。以上について本研究課題の考察に必要な基本資料について収集の目的はほぼ達成された。
II 研究の発表
(1)ドイツ中世後期の都市とその周域とにおける血讐(連鎖的殺害)事件と、その処理方法(とぐに和解)とに関して論文を発表した。そのなかで、とくに注目したいのは、加害者が被害者側にへりくだった姿勢、恭順な態度を示すことで順罪が果たされ、和解が容易に成立したことである。(2)「法系論と法文化論」と題して比較法学に関する一研究動向を発表した。オセアニア社会においては殺人行為について「それが終身刑や死刑で回復されるものであろうか」と問題が提起されていて「贖罪と刑罰」を考える一助になる。(3)『戦争と平和の中近世史』(歴史学研究会編・2001・青木書店)の批評会(2003年3月8日・熊本大学文・法学部)においてヨーロッパ史関係の論文の紹介・批評をおこなった(口頭発表)。本研究課題の考察にとって注目すべき点は、「戦争」が、論者によってそれぞれ「フェーデ」として、あるいは「神明裁判」として解されていることである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 若曽根 健治: "血讐とその処理について-ドイツ中世後期の都市とその周域とにおける-"熊本法学(熊本大学法学会). 102. 135-189 (2003)

  • [文献書誌] 若曽根 健治: "法系論と法文化論-五十嵐清『現代比較法学の諸相』によせて-"比較法史研究(比較法史学会). 11. (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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