研究課題/領域番号 |
14520019
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
蟻川 恒正 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (20202757)
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研究分担者 |
中林 暁生 東北大学, 大学院・法学研究科, 助手 (70312535)
山元 一 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10222382)
辻村 みよ子 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30158381)
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キーワード | 男女共同参画 / アファーマティヴ・アクション / ジェンダー / 積極的改善措置 / アメリカ / フランス |
研究概要 |
本年度は、本研究の基本的な視座の確定と方法論の確立に努めた。研究代表者として、蟻川は、アメリカにおいての、人種差別の問題におけるアファーマティヴ・アクションと、男女差別の問題におけるアファーマティヴ・アクションとの比較検討を通じて、アファーマティヴ・アクションの基礎理論の確立に努めた。辻村は、ジェンダー論を切り口にして、男女共同参画社会の形成を行っていくための法的基礎理論の構築に努め、その成果は、「男女共同参画社会基本法後の動向と課題-男女共同参画とポジティヴ・アクションの理念をめぐって」『ジュリスト』1237号(2003年1月)、『市民主権の可能性』第三章第二節「ジェンダーとシティズンシップ」(2002年)において、公表した。辻村はまた、本研究の特色の一つでもある比較憲法的視座による分析の基本枠組みの構築にも努め、そしてそれは、『比較憲法』(2003年)の中で、示されている。辻村はさらに、東北大学における取組についても研究を行い、それは、「男女共同参画推進のための東北大学の取組み」として、『共同参画21』(内閣府編、2003年)において発表している。このような取組は、本研究が行う、日本における男女共同参画社会を構築していく際の具体的な実践的提言の一つを成していると言ってよい。山元は、フランス社会と法との関係を素材としながら、共同参画社会の社会像としての側面に光を当てた研究を行った。中林は、日本における各自治体の共同参画推進条例の比較分析を行い、各条例の理念、ならびに各条例の言う「積極的改善措置」について、日本では、明確な共通理解が得られていないことを明らかにした。以上のような各研究の成果を踏まえ、本研究の総論の確立と方法論の確立を行っただけでなく、日本において「男女共同参画社会」を実現するための課題の発見を行うこともできた。
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