研究課題/領域番号 |
14520019
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
蟻川 恒正 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (20202757)
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研究分担者 |
中林 暁生 東北大学, 大学院・法学研究科, 助手 (70312535)
山元 一 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (10222382)
辻村 みよ子 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30158381)
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キーワード | 男女共同参画 / アファーマティヴ・アクション / ジェンダー |
研究概要 |
本年度は、「日本型男女共同参画社会」へのソフト・ランディングに向けた制度設計のための見取図を示すことを行った。まず、辻村が『ポジティヴ・アクションの手法と課題」(『法学』67巻5号(2004年)176頁以下)を著し、「副作用の強い特効薬」に見立てられるアファーマティヴ・アクションを制度化する際には「漢方薬的手法の併用とインフォームド・コンセントによってその副作用を抑え」る方策が必要であるとする提言を行った。これは、「日本型男女共同参画社会」へのソフト・ランディングを果すための視座設定を行うものである。次に、山元は、「第5共和制における女性の政策方針決定過程への参画(辻村編『世界のポジティヴ・アクションと男女共同参画』(ジェンダー法・政策研究叢書第1巻所収、近刊)所収)を書き、政策決定過程に女性が参加することの諸問題を考察した。また、中林は、「アファーマティヴ・アクションとメリット」(辻村編前掲書所収)を書き、アファーマティヴ・アクションと能力主義との相互関係を解明し、アファーマティヴ・アクションを日本社会で具体化するための見取図を描いた。さらに、辻村は「学術分野における男女共同参画」(『ジュリスト』2004年4月15日号所収予定)を書き、女性研究者を増やすための数値目標を踏まえた各大学の取組を考究した。蟻川は、クォータ制とより緩やかな優遇措置との理論的差異を明らかにすることによって、アファーマティヴ・アクションの法構造を、法学一般論に近い視点から分析するための研究(その一端は「思想犯罪の法構造(一)」『法学』前掲号1頁以下にあらわれている)を行うとともに、アファーマティヴ・アクションを伝統的な差別禁止法理との統一的なスペクトルの下に捉え直すための基礎研究を進めた。これは、本研究課題の総論的位置を占めるものである。
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