研究課題
基盤研究(C)
(1)委員会等設置会社の社内体制の強化のためには、社外取締役だけでは不十分であるので、アメリカ法が採用する「独立取締役」を検討し、日本にも独立取締役制度を導入すべきことを主張した。米国の独立取締役は、特別訴訟委員会に由来するが、デラウエア州会社法の判例を分析すると、サーベンス・オクスレー法以後その独立性は厳格になって来ている。また、経営監査の実効性を確保するには、独立取締役が経営者の影響から排除されることが必要であるので、米国ではどのような規制が採られ、いかなる提案がなされているかを検討した。例えば監査委員会には最低1名の会計専門家が含まれることが要求され、全米取締役協会は、独立した取締役候補者のデータベースを用意している。カリフォルニア州公務員退職基金は、「主任独立取締役」のガイドライン等を提唱している。(2)ドイツでは監査役会が取締役を任命するという2層制の制度を採用している。監査役会の半数は社外の者である。1994年以降ドイツ企業の国際競争力の強化を目的として頻繁な小改正が行われているが、重要な改正はコントラクト法によりなされた監査役会と決算監査人との連繋である。透明性開示法はこれを強化すると共に、上場会社に対しドイツ・コーポレート規準に応じているか否かを附属説明書で開示すべきものとしている。さらに貸借対照表改正法参事官草案、貸借対照表監督法参事官草案が公表されている。後者は米国のエンロン事件等のスキャンダルを契機としてドイツ会計監査機関等を新設しようとしている。(3)イタリアでは2003年1月17日の立法命令により、株式会社法が大改正された。会社の機関に関しては、従来の方式、2層制および単層制の選択主義を採用されている。2層制はドイツ方式を採用したものであり、単層制は、アメリカ方式を採用したものである。取締役会の3分の1が独立取締役とされ、代表訴訟も導入された。
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法律時報 77(1号)
ページ: 58-66
法律時報 77(2号)
ページ: 71-78
法律論叢 76巻(6号)
ページ: 1-55
法律論叢 77巻1号
ページ: 17-67
houritu jihou vol.77, n.1
houritu jihou vol.77, n.2
houritu ronnsou vol.76, n.6
houritu ronnsou vol.77, n.1