研究課題/領域番号 |
14520069
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
本澤 巳代子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (70200342)
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研究分担者 |
出口 正義 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (00109737)
星野 豊 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (70312791)
村上 正子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (10312787)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 生涯(型) / 所得保障 / 年金 / 保険 / 共済 / 投資 |
研究概要 |
本研究は、公的年金制度を含む社会保障制度全般に加え、各種の私的保険に関する監査制度のあり方、公的・私的年金制度が破綻した場合における手続法的処理、公的年金制度における投資型ファンドのあり方などについて、各自がドイツ法・アメリカ法を中心に比較考察を行ったものである。具体的には、研究代表者である本澤巳代子は、平成16年度に実施された公的年金制度の改革の要点を分析し、将来に残された課題を検討するとともに、特に新たに導入された離婚の際の年金分割制度とその年金減額緩和措置の必要性、婚姻継続中における年金分割制度導入に伴う遺族年金制度の見直しの必要性について考察し、さらに社会保障制度の個人単位化の中での家族的責任を社会的に適切に評価するための諸施策について考察した。そして、研究分担者である出口正義は、私的保険に関するドイツの監督制度を参考に、保険企業の支払能力の継続性の問題に関する研究論文を執筆・公刊した。また、研究分担者である星野豊は、離婚の際の年金受給権分割制度について、信託法および金融法の専門家の立場から制度の整合性等の問題に関する研究論文を執筆・公刊した。さらに、研究分担者である村上正子は、公的・私的年金制度が破綻した場合における手続法的処理について、ドイツ法およびアメリカ法を参考に分析・検討を行った。 これら一連の研究の結果、社会保障制度の個人単位化の中で、公的年金制度における夫婦間の年金権格差の是正のために、また家族責任を負担する被保険者と負担しない被保険者の間の格差の是正のためには、家族的責任を正当に社会的に評価することが必要であり、そのための諸施策を考えるに当たっては、他の制度との関係についても留意すべきであること、公的年金制度を補充するための私的保険については、合理的かつ適正な運用が行われるように監督する責任を明確化する必要があること、公的・私的年金制度が破綻した場合の手続法上の措置を講じる必要があることなどが明確になった。今後もこれらの研究をさらに進展させ、生涯型所得保障の確立に向けて検討を続けていきたいと考えている。
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