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2004 年度 実績報告書

行政-NPO関係の日本的特質と透明・対等・有効な協働関係のための諸条件

研究課題

研究課題/領域番号 14520093
研究機関名古屋大学

研究代表者

後 房雄  名古屋大学, 法学研究科, 教授 (20151855)

キーワードNPO / 協働 / 行政-NPO関係 / 自律性 / 透明性 / 有効性 / 対等性
研究概要

日本における伝統的な行政-NPO関係の特質は、アメリカと並んで行政事業の実施部分を大幅に公益法人などの伝統的NPOに委託、代行させてきた点にあるが、問題は、NPO間での競争がないまま、行政の特定部局と特定NPOとが補助金、天下り、行政職員派遣などを通じて密接な依存・従属関係を結んできたことにある。そのことが、結果として、法律的には民間団体であるはずの伝統的NPO(社団、財団、社会福祉法人など)を準行政機関へと変質させることとなった。そのため、公共サービスの提供においても、コスト、サービスの質、顧客ニーズへの対応などの点で大きな問題を生み出してきた。
こうした伝統的な行政-NPO関係を透明・対等・有効な関係に転換すること、さらに、1990年代後半以降出現してきた新しいNPO(特定非営利活動法人など)と行政の関係を透明・対等・有効な関係として形成していくことは、日本において、本格的なNPOセクターを形成し、公共サービスの重要な担い手としてNPOが固有の役割を果たすためにも不可欠であることが明らかになった。
そのために必要な条件として、アメリカやイギリスの事例との比較研究などを通じて、政権交代メカニズムの作動とそれを基礎にした政治の行政に対する指導力の確立、行政-NPO関係のルール化、事業型NPOを中核とする重層的なNPOセクターの形成などが浮かび上がった。
実際、中央レベルでも自治体レベルでも、政権交代メカニズムが作動し始める兆候が現われているし、愛知県における「あいち協働ルールブック2004」のように、自治体とNPOの代表者が協働のルールに署名するという事例も生まれている、また、NPOへの事業委託の急増、指定管理者制度や市場化テストの導入など、公共サービスを大幅にNPOを含めた民間に委ねる方向での制度改革も進みつつある。行政-NPO関係の転換の諸条件はかなり成熟していると考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 自治体とNPOへの挑戦としての指定管理者制度2005

    • 著者名/発表者名
      後 房雄
    • 雑誌名

      月刊ガバナンス 4月号

  • [雑誌論文] なぜコンパクトに注目するのか-日本のNPOセクターの転換点とイギリス・モデル2004

    • 著者名/発表者名
      後 房雄
    • 雑誌名

      イギリスNPOセクターの契約文化への挑戦(後房雄編著)(市民フォーラム21・NPOセンター発行)

      ページ: 3-15

  • [雑誌論文] 自立と協働の両立は可能か-日本のNPOセクターが直面する課題2004

    • 著者名/発表者名
      後 房雄
    • 雑誌名

      市政研究 第143号

      ページ: 24-33

  • [図書] 分権社会の到来と新フレームワーク2004

    • 著者名/発表者名
      後 房雄ほか
    • 総ページ数
      283
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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