研究概要 |
(1)政党関係資料の収集・分析:コングレス党、統一共産党、毛沢東派共産党を中心に、政党関係の基礎資料を収集し、整理、分析を進めた。なかでもA Karki and D.Seddon, ed., The Peeople's War in Nepal : Left Perspectives,2003は、毛沢東派共産党の主要文書を英訳編集したものであり、資料的価値は高い。毛沢東派共産党は非合法政党であり、これまで資料収集は困難であったが、この資料集の分析により、同党を中心とする急進左翼諸党派の関係がかなり明らかとなった。 (2)選挙関係資料の収集・整理:ネパール選挙管理委員会(EC)を実地調査し、1990年代の選挙関係資料を収集し、整理した。選挙関係資料は、これまでも一部市販されていたが、今回の調査で欠落部分を補うことができた。今回調査では、ネパール初の詳細な「国勢調査報告書」など関係資料もかなり入手できたので、それらも利用して、選挙結果の分析を進めていく予定である。 (3)政党政治の現状分析:1990年革命に始まるネパールの政党政治は、2002年5月の議会解散により大きく変化した。この変化をもたらした社会的背景と、その結果としての無議会政治のもつ政治的および憲法的意味について考察し、次の2つの小論を発表した。「人民戦争と『被抑圧人民』」(日本ネパール協会・会報』No.172、2002年5月)、「10月政変と国王大権」(『日本ネパール協会・会報』No.175、2002年11月)
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