研究概要 |
本研究により私が執筆した論文は、次の3点である。 「太平洋戦争終結を巡る歴史論争--ボナー・フェラーズのヘンリー・スティムソン元陸軍長官批判」細谷千博・入江昭・大芝亮編著『記憶としてのパールハーバー』(ミネルヴァ書房、2004年5月)129〜69、461〜70頁。 「戦後日本の君主制とアメリカ」伊藤之雄・川田稔編著『20世紀日本の天皇と君主制』吉川弘文館(2004年3月)129〜55頁。 "Bonner Fellers and U.S.-Japan Relations, June 1945-June 1946."Journal of American and Canadian Studies, No.20(2003年3月刊行)57-93頁。 これらの執筆を通じて、1930年代の終りから対日占領期のフェラーズの日米関係における貢献、位置付け、活動はかなり解明された。現在、共和党右派の政治史研究に関する論文の草稿を執筆している。しかし、フェラーズの伝記の執筆とそれと密接に関係する共和党右派の政治史の執筆は、スタンフォード大学のフェラーズ文書原本新規追加分の更なる調査・収集・分析や、ほかの関連資料の調査・収集・分析を待たねばならない。 スタンフォード大学フーヴァー研究所文書館のフェラーズ文書に新たに大量の原本が加わったことを筆者が知ったのは、この科研の2年目の終了期であった。そこで本研究3年目の大きな課題は、フーヴァー研究所文書館が新たに入手したフェラーズ文書の内容の把握であった。2004年夏、フーヴァー研究所文書館でフェラーズ文書の追加分の目録の作成を行った。1950年代以降の日米関係におけるフェラーズの考え、活動、役割を考察したり分析したり、また、第2次大戦前から1960年代の共和党右派の政治思想や政治史を研究するためには、この追加分のフェラーズ文書は必要不可欠である。
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