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2002 年度 実績報告書

マクロ経済政策の新たな分析枠組みの構築

研究課題

研究課題/領域番号 14530009
研究機関京都大学

研究代表者

柴田 章久  京都大学, 経済研究所, 助教授 (00216003)

研究分担者 二神 孝一  大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30199400)
照山 博司  京都大学, 経済研究所, 助教授 (30227532)
森 知也  京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
堀 敬一  立命館大学, 経済学部, 助教授 (50273561)
澤田 康幸  東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
キーワード経済成長 / 集積 / 技術革新 / 通貨危機 / 設備投資 / 金融市場の不完備性 / 財政赤字 / 労働の再配分
研究概要

平成14年度は、以下の6点に関する研究を行った。第1に経済成長・技術革新の決定要因を様々な側面から理論的に分析した。例えば、研究開発促進政策としての特許政策の有効性について検討を行い、最適な特許期間が存在することを示した。また、財政赤字や国際の累積が経済成長に対して与える影響も分析し、財政赤字の拡大が経済成長を刺激する可能性も存在することを明らかにした。第2に経済集積のメカニズムに関する理論研究を行い、生産性の異なる労働者からなる経済を考えた場合、生産性の高い労働者の集中する地域と、そうでない労働者の集中する地域が現れる可能性のあることを示した。第3に、通貨危機に関して、理論・実証の両面からの分析を行った。理論面では、通貨代替を通じて、ファンダメンタルズの状態が悪くなくても投機家の期待によっては通貨危機が生じえることを明らかにした。また、実証的には、韓国の家計パネルデータを用い、通貨危機・金融危機のいわゆる双子の危機が、金融市場を通じて経済の厚生水準に大きな影響を及ぼしたことを数量的に示した。第4に、企業の売上高と流動資産の関係に着目した実証分析を行い、金融市場の不完備性が企業の投資行動に影響を与えている可能性があることを明らかにした。第5に、厳密なミクロ的基礎付けを持つ二国二部門の動学モデルを構築し、財政政策の国際間波及効果を分析した。その結果、財政政策の波及効果は貿易構造と対外資産残高に大きく依存していることが明らかになった。6番目のテーマとしては、事業所レベルの雇用データを用いた実証分析を行い、労働の再配分が景気循環と密接な関係をもつことを明らかにした。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] Akihisa Shibata: "Strategic Interactions in a Growth Model with Infrastructure Capital"Metroeconomica. Vol.53・No.4. 434-460 (2002)

  • [文献書誌] Koichi Futagami (共著): "The Quality Ladder and Product Variety : Larger Economies may not Grow Faster"Japanese Economic Review. (掲載予定).

  • [文献書誌] Koichi Futagami (共著): "Budget Deficits and Economic Growth"Public Finance. (掲載予定).

  • [文献書誌] Tomoya Mori (共著): "Skills, Agglomeration, and Segmentation"European Economic Review. (掲載予定).

  • [文献書誌] Tomoya Mori(共著): "Economics of Transport Density and Industrial Agglomeration"Regional Science and Urban Economics. Vol.32. 167-200 (2002)

  • [文献書誌] Koichi Futagami (共著): "Patent Policy in an Endogenous Growth Model"Journal of Economics (Zeitschrift fur Nationalokonomie). Vol.78・No.3. 239-258 (2003)

  • [文献書誌] 堀敬一 (共著): "メインバンク、企業間の資金調達関係と株式持合い"証券アナリストジャーナル. 40巻・12号. 60-72 (2002)

  • [文献書誌] Koichi Futagami (共著): "Commodity Taxation and Economic Growth"Japanese Economic Review. (掲載予定).

  • [文献書誌] Yasuyuki Sawada (共著): "On the Missing Link between Currency Substitution and Crises"Zagreb International Review of Economics and Business. Vol.5・No.2. 83-106 (2002)

  • [文献書誌] 澤田康幸 (共著): "インフラストラクチャー整備が貧困削減に与える効果の定量的評価-スリランカにおける灌漑事業のケース-"開発金融研究所報. 第14号. 117-136 (2002)

  • [文献書誌] 澤田康幸: "グローバリゼーションと貧困"国際経済. (掲載予定).

  • [文献書誌] 高木信二編: "通貨危機と資本逃避-アジア通貨危機の再検討"東洋経済新報社. 194 (2003)

  • [文献書誌] 玄田有史他編: "リストラと転職のメカニズム"東洋経済新報社. 294 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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