研究課題/領域番号 |
14530009
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 章久 京都大学, 経済研究所, 教授 (00216003)
|
研究分担者 |
二神 孝一 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30199400)
照山 博司 京都大学, 経済研究所, 教授 (30227532)
森 知也 京都大学, 経済研究所, 助教授 (70283679)
堀 敬一 立命館大学, 経済学部, 助教授 (50273561)
澤田 康幸 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (40322078)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
キーワード | 資本市場の不完全性 / 設備投資 / メインバンク / 金融危機 / 労働市場のフロー分析 / 経済集積 / 経済成長 / 財政政策 |
研究概要 |
本研究で採り上げた課題の一つは、資本市場の不完全性と経済活動の関係であったが、この課題に対しては三つの方向からの接近を試みた。第一に、資本市場の不完全性を導入したマクロ動学モデルを構築し、資本市場の不完全性の度合いが経常収支変動に対してどのような影響をもたらすのかを明らかにした。さらにその結果を日本経済のデータを用いて実証的に検証し、モデルを支持する結果を得た。第2に、日本の製造業のデータを用いて、メインバンクが、不良債権存在下での企業の財務政策にどのような影響を持っていたのかを実証的に検証した。その結果、メインバンクは保有する情報を有効には利用しておらず、むしろ効率的な経済活動を阻害している可能性があることが示された。さらに、1997年に韓国で生じた金融危機を採り上げ、家計は奢侈品の消費を減少させてショックに対応したこと、この時期に大規模な「金融収縮」が生じていること、その厚生上の損失は極めて大きいことが明らかにされた。労働市場に関しても、90年代以降の日本の高い失業率をもたらした主要因を明らかにするために、フローデータを用いた実証分析を行い、失業への流入と流出はともに増加しているが、全体としては、就業・失業間のフローは失業を増加させていること、失業・非労働力間のフローは失業を減少させるように働いていること、失業へのフローの増加とともに人々が失業する可能性も高まっていること、失業から離脱するフローは増加していても、失業者を個々にみれば、就職することは難しくなっていることを明らかにした。さらに、経済集積と経済成長も分析の対象とし、個人間に能力の格差が存在するとき、高い能力を持つ経済主体は同じ場所に集積するが、能力によっては居住地が分離される可能性があること、特許政策が経済成長と経済厚生に対して持つ効果、財政政策が経済成長率や資本蓄積に及ぼす効果などを理論的に明らかにした。
|