研究課題/領域番号 |
14530010
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三野 和雄 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (00116675)
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研究分担者 |
柴田 章久 京都大学, 経済研究所, 教授 (00216003)
二神 孝一 大阪大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30199400)
下村 和雄 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (60116217)
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キーワード | 市場の失敗 / 内生的成長 / 均衡の不決定性 / 財政・金融政策 / 政府負債 / 世代重複経済 / 情報の不完全性 / 景気循環 |
研究概要 |
前年度に引き続き、不完全市場の動学分析をテーマに、研究代表者と共同者が単独並びに共同で研究を行った。三野と下村は今年度も不完全市場経済における均衡の不決定性に関する動学分析を中心に行い、得られた結果を英文の論文としてまとめて専門誌に投稿をした。今年度は特に社会的な生産技術が規模に関して収穫一定である経済の均衡の不決定性に注目し、いくつかの新しい結果を導出した。また三野は貨幣経済の成長モデルを利用して、利子率をコントロール政策が経済の安定性に及ぼす効果を検討したが、この結果の一部はEconomica誌(第70巻)に発表した。また三野はJapan and the World Economy誌に掲載予定の論文において、市場が不完全な動態経済の国民所得が、経済厚生の指標としてどの程度正確であるかを分析した。一方、下村は、専門である国際経済学の知識を生かし、市場の不完全性と貿易パターンの関係について検討した。その成果の一部はJournal of Political Economy誌(第111巻)に発表されたが、そこでは、国際間に消費の外部性が存在するもとでのトランスファーの厚生効果について検討されている。 外部の共同研究者である二神と柴田は、昨年に引き続き、主として不完全市場経済における循環的成長メカニズムの研究を行った。二神はEconomic Theory誌(第24巻)に発表した論文において、不完全な情報のもとにおける教育投資が経済の動態に与える効果に関して世代重複モデルを用いて検討した。また柴田は、Economic Theory誌に掲載予定の論文において、投資のラグがもたらす成長経済の循環運動について世代重複モデルを用いて分析をした。また二神と柴田は、Public Finance誌に近刊予定の論文において、政府負債の蓄積が経済成長に及ぼす効果について内生的成長モデルを用いて検討した。
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