15年度は東京の研究会(SGCIME)でのほぼ完成した原稿の検討を通じて、研究成果の全体的な取りまとめに入っており、「(1)制度論の原理的領域」及び「(2)制度論と経済理論との関係づけ」、「(3)現代世界における制度的多様性の具体的展開」という3領域にわたって研究論文を作成している。 「(1)制度論の原理的領域」及び「(2)制度論と経済理論との関係づけ」については、組織論と経済理論との関連を扱う「企業の組織構造と多様性」を作成した(SGCIME編『グローバル資本主義と企業システムの変容』御茶の水書房、2004年5月刊行予定)。さらに、本研究の総括的な成果であり、制度論的社会経済学の体系と要素を明確化する「当事者理論の制度論的基礎」をSGCIME編『現代マルクス経済学のフロンティア』(御茶の水書房、2004年11月刊行予定)に執筆中である。 (3)「現代世界における制度的多様性の具体的展開」に関しては、制度論的な基軸であるイデオロギー的ヘゲモニーの解明を進め、その現代世界における具体的あり方を捉え直す方向で研究を進めている。成果としては「アメリカ--<帝国>の行方」を雑誌『アソシエ』13号(2004年4月刊行予定)に掲載した。また、より包括的なグローバリゼーションにおける文化とイデオロギー的ヘゲモニーの作用を解析した「グローバリゼーション・ヘゲモニー・<文化>」をSGCIME編『模索する社会の諸相』(御茶の水書房、2004年5月刊行予定)に掲載した。
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