研究課題
基盤研究(C)
先端技術による産業の創出ばかりでなく、これまでの技術の発展が産業、とりわけ地域経費・産業に与えた効果を測定し、時系列的な観点から評価することが、本研究の主な目的である。本研究ではこうした目的を達成するために、まず、技術進歩率を測る総要素生産生(Total Factor Productivity : TFP)を、平成6年度から平成13年度の期間で、製造業の業種別に計測した。そして、これが、この7年間の技術進歩率を反映している指標であることを労働生産性との関連性を示すことにより明らかにした。また、平成13年度の生産性に関連しているのは、自社研究開発、海外からの技術導入(技術移転)、国内からの技術導入(技術移転)の順に関連性があることを回帰分析により明らかにした。次に、OECD各国からアメリカ合衆国、ドイツ、中国、オーストラリア、そして日本の産業構造を、産業連関表を用いて分析・比較した。世界的な技術革新が産業構造の大きな変化をもたらすまでにはまだ至っていないことを示した。さらに、進出企業の技術移転があれば、生産技術を中心とした技術進歩により生産効率がますます高まり、製造業を中心とした地域産業の高度化が進み、産業構造の変化が起こるが、このことを、大分県の産業構造の変化を調べ、技術進歩率を計測することにより、企業進出があった大分県では、そうした企業からの技術移転などにより、産業構造が素材型から加工組立型に変化してきたことを示した。資料の制約により、こうした研究開発投資、技術移転が産業間でどのような波及効果があるか、また、それが地域経済にどのよう影響を与えるかについては、定量的に分析することはできなかった。その技術移転の産業間波及効果を計測することは重要な課題であり、こうした点については今後研究を進めたい。
すべて 2005 2003
すべて 雑誌論文 (4件)
コミュニティ総合研究(大分大学コミュニティ総合研究センター) 第2号
ページ: 88-99
Bulletin of Center for Community Research(Center for Community Research(Oita University)) No.2
経済論集(大分大学経済学会) 第55巻、第1号
ページ: 81-95
Economic Review(The Economic Society of Oita University) Vol.55,No.1