研究概要 |
本研究は、4年間の実施を予定し、平成16年度はその第3年目にあたっていた。計画にしたがい、市場経済と資本主義の原理と現代的変異性をめぐり、一連の研究をすすめた。その研究業績の主たるものは、つぎの4点にとりまとめられた。 (1)「資本主義のもとでの人口法則の再考」、『国学院経済学』第52巻第2号、1-28ページ、2004年。また、この論文の主内容は、2004年6月に日本学士院例会、および同年10月に大阪経済大学で開催された経済理論学会年次大会において報告された。 (2)「新自由主義は日本になにをもたらしているか」、『政経研究』、11-25ページ、2004年。 (3)‘Theoretical Possibilities of Socialist Market Economy and the Chinese Road'。本論文は中国語に翻訳されて、『海派経済学』第5輯、11-25ページ、2004年に公刊され、同年9月ドイツのトリアーにおいて開催された国際学会において報告された。なお、この国際学会では、(2)の一部も、‘The Difficulties of the Japanese Left Labour Movement'としてとりまとめ、報告した。 (4)‘Assessing Neoliberalism in Japan', in A.Saad-Filho and D.Johnston ed., NEOLIBERALISM A Critical Reader, Pluto,2005. なお、本研究の基礎理論に関する部分については、『資本論を読む』という著書にとりまとめる企画をたて、研究と執筆を進行させている。また、本年度末の2005年3月には天津の南開大学における1週間の日本経済についての集中講義、北京の中央党校と上海の上海財経大学などでの講義において、本研究の成果の一端を発表してくる予定をたてている。
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