研究概要 |
セミパラメトリックな推定手法であるEmpirical Likelihood(EL)法、Exponential tilting(ET)法、GMM法のモーメント条件の数が多い場合のバイアス、分散の性質をモンテカルロ実験を使って分析した。実験の方法は、内生的な説明変数を持った線型方程式を考え、操作変数の数を増やしていくことによってモーメント条件の数を増やしていった。 具体的に実験方法を説明すると、yを被説明変数、x1とx2を説明変数、uを誤差項としy=b0+b1x1+b2x2+uとしてパラメータb0,b1,b2の推定問題を考えた。誤差項uと説明変数x1,x2の間には x1=w1+0,5u x2=w2+0.5u という形で相関を持たせた。独立な標準正規確率変数でu,w1,w2は発生させた、操作変数はv=w+eと形で発生させその数を5から順に増やしていった。 この実験によってわかったことはモーメント条件の数がデータ数の12-15%以下の場合はEL,ETのバイアスはGMMに比べて小さいが、それ以上モーメント条件の数が増えるとET、ELのバイアスの法が大きくなる。また推定量の標準偏差もGMMの場合はモーメント条件の数が増えるにつれて減っていくが、ETとELの場合はモーメント条件の数がサンプル数の12-15%以上になると標準偏差が増えていくことが観測された。
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