研究概要 |
本年度は、2002年8月から12月までアメリカ・ニューヨーク市立大学院で文部科学省在外研究を行った。その期間中に国際比較という観点から日本の医療制おける薬価と病院経営の効率性について分析を行った。その結果を以下にまとめている。『Regulated Drug Pricing and Hospital Efficiency in Japan』(著者:Tetsuji Yamada and Tadashi Yamada), University of Tsukuba, Institute of Policy and Planning Sciences Discussion Paper Series, No.1014, December 2002. また現在進行中の研究であるが、国民皆保険という日本の医療制度のもとで、医療に対する認識が国民間で異なることに注目をし、国民の疾病リスクに対する行動と医療保険との関係を理論的・実証的に分析を行った。その成果を論文『Does Having Life Insurance increase the Risk of Sickness?(仮題)』にまとめている。この研究では、理論的な枠組みに1972年の医療経済学の先駆と言われる、マイケル・グロスマン名誉教授(全米経済研究所・ニューヨーク市立大学)の『On the Concept of Health Capital and the Demand for Health』の解釈と応用の拡大を試みている。特に、ミクロ経済学の視点からマクロ経済学視点への理論的な発展を試みており、医療保険や生命保険は、家計における人的資源投資や貯蓄行動に密接な関係があることを示唆している。 研究成果として既刊の出版物と予定のものを次の研究発表の項目に記載した。
|