研究概要 |
本年度は、研究課題「医療政策とマクロ医療経済システム:ミクロ経済学的アプローチ」について、多くの研究成果を得ることができた。 最初に、家計におけるメンバーの時間配分と健康を分析した論文「A Study of Time Allocation of Japanese Households」が、the International Library of Critical Writing in Economicsシリーズのひとつ「Time in Economic Theory」(全三巻)(Elgar Reference Collection,2004)に記載された。この論文集は経済学分野において過去40年間でもっとも貢献度及び影響力が高い論文を厳選し、ノーベル賞受賞経済学者や世界的に有名な経済学者の論文計75編を記載している。 次に、ドラッグ使用を一度やめても再びドラッグ使用者となる慢性化について、経済評価と健康政策の影響を扱った論文が本『The Economics of Substance Use』に採択された。また、超過労働は被雇用者の健康を損なうにもかかわらず、近年の経済低迷期になぜ超過労働を行うかを分析した研究では、企業の暗黙の昇進制度が被雇用者に超過労働を強要している可能性があるという知見を得られた。 そして、研究発表では、米国ニュージャージー州のラトガース大学、カナダのバンクーバーやスエーデンのLund大学などの国際会議で研究成果を発表した。さらに、今年はこれまでの研究成果をスペインのバロセロナと台湾の台北で発表を行う予定である。 最後に、これまでの国際共同研究の研究成果などが認められて、世界的に権威のあるMARQUIS版Who's Who in the Worldの人名録にも選ばれた。
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