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2002 年度 実績報告書

日本および東アジアの金融システムとコーポレートガバナンス

研究課題

研究課題/領域番号 14530045
研究機関一橋大学

研究代表者

寺西 重郎  一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)

研究分担者 久保 克行  一橋大学, 経済研究所, 講師 (20323892)
花崎 正晴  一橋大学, 経済研究所, 助教授 (60334588)
北村 行伸  一橋大学, 経済研究所, 教授 (70313442)
ユパナ ウィワッタナカンタン  一橋大学, 経済研究所, 客員助教授
阿部 修人  一橋大学, 経済研究所, 講師 (30323893)
キーワードコーポレート・ガバナンス / 金融システム / メインバンク / 家族支配 / 経営者報酬 / 企業グループ / アジア危機 / 市場競争
研究概要

日本と東アジア諸国のコーポレート・ガバナンスと金融システムの問題に焦点を当てる本研究プロジェクトの今年度の成果としては、第一に、日本の企業経営者と企業の内部労働市場の関係に関する実証分析がある。その分析から、役員報酬が従業員賃金と強い正の相関を有することが明らかとなった。その背景には、日本の経営者は「昇進した従業員」としての性格を持っており、役員報酬も従業員賃金と似通った体系になることが指摘できる。第二に、同じく日本企業のマイクロデータを用いて、企業活動と企業財務、とりわけ収益と負債の関係を分析したものがある。市場競争の代理変数としての商品売上シェアは収益性を説明する重要な変数であるとはいえない、負債は最適水準を超えて収益を圧迫している、さらに政府規制や補助金が企業収益に歪みを与えている可能性があるなどが、本研究の主要な結論である。
一方、東アジアを対象にした分析としては、第一に、東アジア企業のガバナンスの問題とアジア危機の発生との関係を分析したものがある。それによると、家族支配を背景とする企業所有の集中化、企業の支配権と所有権との乖離、債権者によるモニタリングが有効に働かないもとでの負債による資金調達、さらに非効率性を生む安易な多角化の問題が、アジア危機を境にそのような要素を多分に有する企業の経営を圧迫してきたことが示されている。最後に、アジア危機がタイの金融機関の所有と経営の構造に与えた影響に関する分析によれば、危機以前には多くの金融機関が家族によって支配され、何層にも連なる複雑な支配構造をしていたが、危機後には家族支配はほとんどなくなり、透明性の高い構造へと変化したこと、家族に代わって新たな支配株主となったのは、政府と外国人投資家であること、などが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 花崎正晴, ユパナ・ウィワッタナカンタン, 北村行伸, 久保克行: "東アジアと日本のコーポレート・ガバナンス(仮題)"東京大学出版会(近刊). (2003)

  • [文献書誌] M.Hanazaki, J.Teranishi, K.Kubo, Y.Kitamura, Y.Wiwattanakantang: "Designing Financial Systems in East Asia and Japan"Routledge(近刊). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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