研究概要 |
関連文献の研究と内外の関係研究者との意見交換を通じ、上記テーマのもとに、近年の先進資本主義諸国における経済状況の変化、とくに経済のグローバル化が各国,特に日本の社会、経済状況に与える影響についての考察を行った。具体的な内容は次のとおりである。 1 1999-2000年の英国を中心とする欧米諸国滞在時の研究の到達点(経済学分野、社会学分野、社会政策分野、心理学分野に関連するもの。その成果は2002年にHiroto Tsukada, Economic Globalization and the Citizens' Welfare State, Ashgateとして刊行した)の一層の精緻化と発展を試みた。 2 その過程で、昨年度までのスペイン,イギリス,デンマークの研究者との意見交換に加え,今年度はドイツのHumboldt University in BerlinにHellmut Wollman博士を訪問し、とくに大陸ヨーロッパにおける福祉国家としてのドイツ福祉国家の特性について意見交換を行った。また、この意見交換を通じて、東西ドイツの合併による旧西ドイツ地域に対する財政負担と,旧東ドイツ地域出身者と旧西ドイツ地域出身者との問の社会観の相違が今後も重要な問題として続くであろうことが伺える。 3 また、経済のグローバル化が韓国、日本といったアジアにおける福祉国家形成に与える影響についても考察した。その成果として、塚田の編集・著作による共著『雇用構造の変化と政労使の課題-日本・韓国・中国-』が2005年4月に出版される。また同様の視点からグローバル化のもとでのアジアにおける労働組合の変化について、韓国でのシンポジウムに参加し、報告を行った。
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