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2004 年度 実績報告書

製造業におけるIT革新による生産分業構造と労働システムへの影響に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14530060
研究機関佐賀大学

研究代表者

富田 義典  佐賀大学, 経済学部, 教授 (90155565)

キーワード労働市場 / 地域労働市場 / 製造業 / 下請システム / IT革新
研究概要

昨年度までの研究で1980年代中頃以降製造業においては生産労働者比率の減少が顕著であったことが明らかになった。本年度の研究では、製造業中心の労働市場圏では、一方でサービス業雇用が拡大するという一般的傾向がみられはしたものの、全体としての労働需要の減退が顕著で、それは生産労働需要の減退によってもたらされたことが明らかになった。それは対象とした広島市、北九州市ともに統計の分析からみることができた。また両市とも2000年以降は産業が業績を回復させてきており、そのなかで地域労働市場は80年代半ば以降に生じた傾向(生産労働者の量的・比率的減少)と、比較的近時に生じた傾向(技術者の増加)とが同時に進行するようになってきている。それらの背後にある要因としては、(1)80年に生じた技術革新が形態を変容させつつ今日まで持続していること(MEからITへ)、(2)製品市場のグローバル化と多様化をあげることができる。(1)はME・IT機器の導入による省力化、(2)は製品のライフサイクルの短縮による開発競争の激化が技術者の増加をもらたしていることが主たる内容である。さらにその両要因が企業間関係にも影響し、親企業から下請企業への発注様式に変化が生じている。自動車産業(広島市)では、これまでよりもヨリ大きな単位をユニットとして1ユニットを1企業に発注する方式へ、鉄鋼企業(北九州市)では、1業種複数発注から1業種1企業発注方式へと変わりつつある。いずれにしても下請企業の再編が進み、第一次下請のなかから第二次下請へ、第二次から第三次へという下降移動が生じている。それにともなって、それぞれの下請階層における労働力の需要(質と量)のあり方に変化が生じ、それらが地域労働市場の労働需要の変化をもたらすことにつながっている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 製造業労働の研究方法について2005

    • 著者名/発表者名
      富田義典
    • 雑誌名

      社会政策学会誌(法律分化社発行) 13号

      ページ: 77-91

  • [雑誌論文] 1980年代以降における製造業の変化と雇用構造の研究方法2004

    • 著者名/発表者名
      富田義典
    • 雑誌名

      佐賀大学経済論集 37巻4号

      ページ: 123-144

  • [雑誌論文] 書評・石田光男著『仕事の社会科学』(2003年ミネルバ刊)2004

    • 著者名/発表者名
      富田義典
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌 547号

      ページ: 72-75

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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