研究課題/領域番号 |
14530066
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
新海 哲哉 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (40206313)
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研究分担者 |
田中 悟 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (20207096)
岡村 誠 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (30177084)
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キーワード | 技術開発インセンティブ / 補完性をもつ複数の技術革新 / (クロス)ライセンシング制度 / 技術開発投資競争 / プロパテント政策 / 特許保護範囲 |
研究概要 |
IT技術革新の果実を利用する情報通信技術分野では、製品の生産には互いに連関性をもつ複数の技術革新の成果が必要である。一般に、これら互いに連関性をもつ複数の技術革新に関する特許は別々の企業や発明家が持っている可能性が高い。それゆえ、各技術の特許の所有者が自己以外の技術使用の排除権を過剰に行使すると、それらを利用する製品の生産が著しく制限されるため、技術知識の利用が阻害され技術革新自体が停滞する。このような場合には、特許権の保護範囲やライセンシングに対する競争政策上のスタンスが技術開発インセンティブに果たす役割はきわめて大きい。そこで本年度、本研究では以下の理論的研究成果を得た。 1.Cournot複占財市場で競争する複占企業が、ともに利用しなければ製品が生産できないか、或いは1つの技術よりも2つの技術利用が著しく生産費用を削減するという意味で、「互いに補完的な」複数の技術の開発競争する経済理論モデルを構築した。 2.1で構築したモデルに、(クロス)ライセンシング制度を明示的に組み込んで、我々の常識的推測とは異なり、(クロス)ライセンシング制度の存在が複占企業の「互いに補完的な」複数の技術開発のインセンティブを弱めることを明らかにした。 3.また、1で構築したモデルに、政府の特許保護範囲の程度を表すパラメータを明示的に組み込み、「プロパテント政策の強化は、技術開発インセンティブを高める」という常識的には妥当な推論が成立するかどうかを吟味した。 その結果、製品生産に必要な技術革新が1つの場合は、政府のプロパテント政策の強化は特許保護範囲を広げ、複占市場での技術開発投資競争は促進するが、製品生産に「互いに補完的な」複数の技術が必要なケースでは「プロパテント政策の強化」は、複占市場での技術開発投資競争を阻害することを明らかにした。
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