研究課題/領域番号 |
14530077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 大阪市立大学 (2003) 立命館大学 (2002) |
研究代表者 |
佐々木 雅幸 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (50154000)
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研究分担者 |
小長谷 一之 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 助教授 (50225463)
角田 隆太郎 立命館大学, 政策科学部, 教授 (30207435)
本田 豊 立命館大学, 政策科学部, 教授 (80148387)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 創造産業 / 創造経済 / 創造階級 / 都市再生 / 文化産業 / 著作権 / 創造性 / 創造クラスター |
研究概要 |
本研究においてキー概念となる「創造産業」とは英国政府によって「個人の創造性、スキル、才能を源泉とし、知的財産権の活用を通じて富と雇用を創造する可能性を持った産業」と定義され、具体的には、音楽、舞台芸術、映像・映画、デザイナー・ファッション、デザイン、クラフト、美術品・アンティーク市場、建築、テレビ・ラジオ、出版、広告、そしてゲームソフトおよびコンピュータソフトウェアの13業種を「創造産業」として含めることが出来る。米国では「創造産業」に自然科学のR&Dを加えることが一般的になっていることを考慮すると「創造産業」は財やサービスの属性から「科学技術創造産業」と「芸術文化創造産業」の2つに大別される。これら2つの「創造型産業」の相互関係の重要性とシナジー効果が指摘される。また、創造性を創造産業の本質とみなす場合に、市場性や経済性は低いが芸術性や科学的価値の高い「創造的中核」に位置する活動を重視することが政策に必要となろう。既存統計と独自集計結果とによって日本の創造産業の定量的把握を行うと、雇用で約140万人、市場規模では約39兆円となり、創造産業の日本とイギリスの比較を行うと、雇用、市場規模ともに絶対数では日本が上回ってはいるが、GDPの規模、総従業員数の違いを考慮すると、イギリスは日本に比べて雇用で約2倍、市場規模で約3倍の大きさとなっている。このことは、日本の創造産業の将来性の高さを示しているともいえよう。創造産業や創造都市への関心が高まる中で、都市政策の分野にも新しい潮流が見られるようになってきた。現代美術館を軸に新文化・新産業の創出と都心再生を試みようとする金沢市や「芸術文化特区」による都市再生を目指す横浜市などがその代表であろう。一方で、創造産業の大都市集中の要因分析とその是正策や創造産業内部での創造的労働者の不安定就業問題の解決策など検討を要する課題も多い。
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