(1)中国の人口センサスにおける移動人口の捉え方を詳しく検討した上で、改革開放時代の地域間人口移動の規模、方向、特徴などを定量的に明らかにした。研究成果の一部がアジア政経学会全国大会にて報告され、フルペーパーは『桃山学院大学経済経営論集』第45巻第4号に公表されている。 (2)人口センサスの集計資料および関連する社会経済統計を駆使して、省際人口移動の動向とその決定的要因を計量的に分析した。研究成果の主要部分は『アジア経済』(アジア経済研究所)2004年4月号に掲載される。 (3)ロージャスモデルを援用して中国における人口移動の選択性をはじめて解明した。この研究成果が高く評価され、近く『アジア経済』に掲載されることになっている。 (4)2003年10-11月に上海社会科学院の協力を得て、1500人の出稼ぎ労働者を対象とするアンケート調査が実施された。データの入力・クリーニングがすでに完了している。このアンケート調査の結果は来る6月開催の中国経済学会全国大会にて発表される予定である。 (5)2003年10月に、上海市における労働市場の基本構造について、研究者、行政機関などをヒアリングした。また、平成16年度の上海籍労働者を対象とするアンケート調査の準備作業が行われた。
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