(1)上海市で実施した出稼ぎ労働者就業調査の分析結果が中国経済学会全国大会(2004年6月、桃山学院大学)で報告され、フルペーパーは同学会誌『中国経済研究』第2巻第2号に掲載される予定である。高度成長が進む中、地域間の人口移動に現れる社会の流動化が激しくなっている一方、労働市場の分断化も歴然と存在していることを実証的に分析した。 (2)2004年9月に上海市の企業などを訪問し、関係者から出稼ぎ労働者の就業や賃金に関する情報を収集した。また、上海市戸籍を有する地元住民を対象とするアンケート調査も実施した(1005人)。11月に上海社会科学院の共同研究者を日本に招き、データセットのクリーニング等に関する打ち合わせを行った。 (3)2005年1月に出稼ぎ労働者を多く受け入れている江蘇省常熟市の農村調査を実施した。内陸部から沿海部への労働力移動の実態について関係者からヒアリングをし、資料を収集した。 (4)この3年間の研究成果を取りまとめ、研究報告書を作成した。また、アンケートの集計、分析作業が進行中であり、研究成果の一部は2005年度アジア政経学会等で発表する予定である。
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