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2003 年度 実績報告書

近代日本における在来的経済発展と都市「小経営」

研究課題

研究課題/領域番号 14530087
研究機関東京大学

研究代表者

谷本 雅之  東京大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (10197535)

キーワード小経営 / 都市史 / 在来的発展 / 小工業 / 労働市場 / 二重構造 / 問屋制 / 女性労働
研究概要

本研究は、総体としての雇用吸収力の大きさにもかかわらず、これまで研究の進んでいない、都市「小経営」の実態と、その展開論理を検討することを課題としている。本年度では、前年度の成果に引き続き、以下の2つの課題を遂行した。
一つは、「小経営」の存立を支える労働力基盤である家族女性労働に関して、近年のジェンダー研究を批判的に継承しつつ、立ち入った分析を行ったことである。前年度に作成した東京市市勢調査データ・ベースに、神戸市、熊本市の同様の調査データも加味して、都市小経営女性の就業率の実質的な高さを実証し、戦前期日本においては、小経営こそが女性が労働投下を行う主要な場であったことを実証し、合わせてそれが、家族の就業戦略の一環として位置付けられることを示唆した。その成果は、既に2003年中に論文として刊行されている。
もう一つは、事例研究として史料収集を進めている東京の玩具工業史に関する分析に関連し、両大戦間期の東京における工業発展過程を、小工業に着目しつつ概観・整理したことである。その結果、1930年代における東京の急速な工業発展の存在が明示され、かつそれが、城東と城南の特徴的な2つの地域における産業集積をともなっていたこと、本研究で事例として取上げる玩具工業は、前者(城東)の多様な種類の小工業集に基盤をおいていたことが明らかとなってきた。その成果は、東アジア経済史に関する国際比較研究コンファレンスでも報告された。この成果により、玩具工業分析の位置付けが、より明確となったと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 谷本雅之: "近代日本の女性労働と小経営"『日本近代国家の成立とジェンダー』柏書房. 144-187 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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