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2002 年度 実績報告書

1950年代地域史の総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 14530089
研究機関一橋大学

研究代表者

森 武麿  一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (20095756)

研究分担者 沼尻 晃伸  静岡大学, 教育学部, 助教授 (30273155)
高岡 裕之  都留文科大学, 文学部, 助教授 (90305491)
大川 裕嗣  福島大学, 経済学部, 助教授 (80203719)
永江 雅和  専修大学, 経済学部, 講師 (70327980)
大串 潤児  信州大学, 人文学部, 講師 (90324219)
キーワード1950年代 / 地域 / 地域開発 / 民衆運動 / 福祉 / 自然環境 / 下伊那地方 / 岩手県
研究概要

「1950年代地域史の総合的研究」の第一年度として、今年度は対象地域の設定と調査を重点的に行った。まず、第一に、われわれは、中部養蚕地帯として、長野県飯田市を中心とする下伊那地方を2002年8月に調査を行った。調査結果として、1950年代の下伊那地域は、経済的には、戦前の発展を戦後も引き継ぎ、組合製糸天龍社を中心に養蚕・製糸業の興隆を迎えることが判明した。社会的にも、養蚕農民による価格闘争を中心とする農民運動、天龍社女工を中心とする労働運動、地域学習運動や平和運動を中心とする青年団運動など、地域民衆運動の特徴的な展開を示す地域であることが分かった。また、戦時下に疎開産業として飯田市に進出した精密機械工業は、戦後に地場産業として地域に定着していく。われわれは多摩川精機や平和時計(シチズン系企業)の調査によって、1950年代が、精密機械工業が、高度成長期に地域に定着するための前史として、重要な時代であることか分かった。また、戦前の南信自由大学や大正デモクラシー期の自由教育のひとつの拠点であった飯田下伊那地域が、戦後も1950年代には、信濃教育会を中心に独自の展開を示す地域であることが展望された。第二に、われわれは、東北地方として、1950年代の岩手県南部の調査を行った。とりわけ、沢内村、紫波町、北上市の調査結果として、厳しい自然環境の克服が戦後的課題として浮かび上がった。この地域の1950年代の特徴として、北上川総合開発にみる電源・水利を中心とする地域開発計画、生命と健康を守る福祉政策の展開が、注目される。環境・経済・福祉の三つの課題が、重層的に展開するのが、この地域の特徴であること分かった。以上、今年度の研究実績として、中部養蚕地帯・長野県下伊那地方と東北地方・岩手県南部地方の二つの地域調査によって、対象地の設定と概略を確認することができたと言えよう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 森 武麿: "戦前と戦後の断絶と連続-日本近現代史研究の課題-"一橋論叢. 127-6. 1-16 (2002)

  • [文献書誌] 永江雅和: "戦後開拓政策に関する一考察-もうひとつの農地改革-"専修経済論集. 37-2. 19-42 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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