1 資料の収集と整理 (1)満洲製鉄鞍山製鉄所ならびに南満洲鉄道株式会社の関係者から聞き取り面談調査ならびに手紙による取材を行ない、1940年代後半から1950年代前半にかけての中国生活の体験を説明してもらった。 特に留用された日本人製鉄技術者から中華人民共和国に対して技術が移転されるに際して、技術者達の子弟がどのように遇され、また日本へ帰国した後に彼らがどのような印象を当該時期の中国東北に対して抱いているかについて検証した。 (2)1950年代の中国東北に関する『人民日報』ならびに経済関係雑誌の記事を収集し、重要事項を整理した。1950年代の中国東北の製鉄業が、国共内戦集結直後の混乱や朝鮮戦争直前の緊迫した情勢の下で国策により重点企業として位置づけられ、急速に開発が進められていった経緯について検証した。 (3)1930年代と1950年代の北東アジアをめぐる国際情勢の枠組みについて比較検討した。 これらの研究活動を通して得られた知見の一部は、論文集に収録される予定であるが、出版時期が未定であるため下記の研究発表欄には記載していない。
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