研究課題/領域番号 |
14530131
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
清水 聰 明治学院大学, 経済学部, 教授 (40235643)
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研究分担者 |
鳥居 宏史 明治学院大学, 経済学部, 教授 (30139472)
神田 良 明治学院大学, 経済学部, 教授 (90153030)
高松 正昭 明治学院大学, 経済学部, 教授 (00062844)
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キーワード | 国際研究者交流 / オーストラリア / 企業経営 / データベース |
研究概要 |
オーストラリアに進出した外資系企業の実態を知るため、ブリジストンとトヨタ自動車を現地に訪ねた。両企業とも現地で工場を稼動している。そのインタビューから得られた知見をまとめると以下のようになる。 まずオーストラリアは人口が2000万人と極めて少ないため、消費市場として捉えた場合、工場進出するよりも日本からの輸出の方が効率がよい。特にクルマに関しては25%の関税が15%に引き下げられたため、なおさらである。また、オーストラリアは、法律によって休暇が保証されているため、絶対的な労働時間が短く、労働者の質も他のアジア地域と比校してよいとは言えない。賃金も高めで、さまざまな国の人たちが働いているため、コミュニケーションも難しい。つまり労務管理の面から見ても、工場進出に適した場所ではない。それでも工場進出した理由は、税金面で優遇があったためである。工場進出は雇用を生み出すため、オーストラリアの各州は競って誘致をしている。トヨタの場合は新たな進出、ブリジストンの場合は現地にあったエイボンの工場を買収する形での進出であった。 ただ現状では工場をもつデメリットの方が大きくなってきている。ここでの考え方はブリジストンとトヨタは対照的で、ブリジストンは将来的な撤退をも視野にいれた戦略を考えているのに対して、トヨタは、周辺諸国や日本への輸出基地としての存在意義を考えており、所与の条件の中で、いかにコストダウンして、アジア諸国の他のトヨタ製品に対して価格競争力をつけるかを実践している。
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