研究概要 |
高校までの「情報」で取り入れられにくい幅広い分野・内容の情報リテラシー教育は,大学での教育が重要になる.教養科目としての教育が理想的であるが,現状では十分ではなく専門科目での教育は不可欠である.特に社会科学系では企業社会の実務を強く意識した教育を施す必要がある. 情報倫理教育を行う場合,情報倫理単独では知識偏重型になりやすいため,情報リテラシー教育の一部として施すことが有効である.また,教育の補助としてe-Learningを利用することが重要になるが,その際,従来の集合教育を基盤としてe-Learningは部分的に取り入れることが無理のない方法である.さらに,今後の企業社会で自律的かつ協調的な人材が必要になることを鑑みると,協調学習の手法を取り入れることで学習効果の向上が期待できると考える. そこで情報リテラシー教育にこれらの手法を採用し,学生が企業社会へスムーズな移行を果たす役割を担うための教育モデルを提案した.さらにこのモデルを用いた授業を行い,その効果を定量的に検討したところ,本教育モデルが,情報倫理を含めた情報リテラシー向上に十分な効果があり,さらに今後の企業社会の一員として業務を遂行するための意識養成の一助となることも確認した.
|