研究概要 |
研究課題について,初年度は先行研究の整理および資料収集を行った。この間日本経済の状況変化は激しく,新たな論点および資料収集を付け加える必要もあった。1997年に持株会社が解禁されて以降,設立された持株会社の数は,現時点で,業界再編型のものが19,組織再編型のものが17と必ずしも多くはない。しかし,昨年だけでみると,前者が11,後者が7と急増傾向にあり、またこの4月以降にも多くの持株会社の設立ラッシュが予定されている。また,中国や韓国でも最近になって持株会社という企業形態が注目され出している。中国では国有企業改革の手段として,韓国では財閥や金融機関の統合手段として注目されており,その実態調査を行った。 初年度は以上の作業に加えて,研究成果の中間発表として,2本の論文を執筆した。一つは持株会社解禁の意義付けについての論文であり,もう一つは国際的な視野からの日本における企業間関係の変化についての英文論文であり,これはコーポレート・ガバナンスに関する書物の第10章として収録した。さらに,近年の顕著な現象となっている,企業における事業単位ごとの「企業分解」現象の実態について資料の整理を行った。
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