研究概要 |
今年度は以下のような調査,研究を行った. 1.電子中間業および電子小売業を運営している会社のトップに直接合い,インタビューを行った. 企業が抱える余剰在庫の販売を仲介する企業の社長に話を聞いた.オンライン仲介業の業態,会社運営の方針,実際の業務内容,今後の見通しなど,非常に有用な情報を得た.また,音楽CD販売店チェーンを運営する大手企業の取締役には携帯電話の電子メールを使って実店舗へ客を誘導するクリックアンドモルタル戦略について,数千種類のバネをオンラインで小売りする企業の社長にはその戦略や経営方針などについて,インタビューを行った.さらに,広告会社でオンライン広告を担当している役員にはオンライン広告の現状について聞いた.これらの企業経営者,役員などへのインタビューにより,現在の電子仲介業者および電子小売業者などの戦略や業務内容の一端をうかがい知ることができた. 2.日本およびアメリカにおけるeマーケットプレイスの成功要因を分析した. 日本およびアメリカにおいてeマーケットプレイス(電子公開市場)の運営で成功しているとされる企業,20社を文献とホームページにより調査し,eマーケットプレイスの成功要因を探った.成功要因の仮説として,特定業界に特化,特定機能に特化,中立,透明性の確保,信頼の構築,利用者とのコミュニケーション重視,サービス充実,ITの積極利用,標準化対応,グローバル化対応など,12の要因をあげた.そして,各eマーケットプレイスとこれらの要因との関係を検証した.その結果eマーケットプレイスには,適切な収益モデルを持っていること,売り手と買い手の両方に中立であること,特定の業界に特化していることが重要な要素であることがわかった.また,その次にサービスの充実とソリューションの提供が重要であることもわかった.
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