研究概要 |
今年度は,電子中間業者が担うべき役割を効率良く果たすために,主に業務効率を向上させる方策を研究した.また,英国における小売,卸売業者のヒアリング調査を行った. 1.電子商取引関係の調査,研究としては,今年度は文献調査およびヒアリング調査を行った.文献調査では国内外の関係した書籍,論文,雑誌記事などを調査し,IT化による業務効率向上の例を調べた.ヒアリング調査としては中小企業同友会の会員らに,ITにより経営戦略を実現する方法,IT化による業務効率向上の例,企業ホームページの効果的な運営方法,電子ビジネスにおける個人情報保護のあり方などをヒアリングした.その結果,電子商取引における中間業者も従来の中間業者と同様に,生産者や小売業者,顧客をも組み入れたサプライ・チェーン・マネジメント,顧客を維持するための顧客関係管理などを取り入れたIT化により,業務効率向上を図らなければならないことを確認できた. 2.流通関係の調査,研究については以下のような進展があった.現在は消費の多様化,市場の成熟化,高齢化などの社会潮流がみられる.これらの潮流は小規模小売業の相対的な優位性を高める要因となり得ることを理論的,実証的に示すことができた.また,潜在的なスモールスケールの優位性を顕在化させるためのマーケティング体系を構築した.さらに,英国にて特徴的な小売業,卸売業について,数社のヒアリング調査を行った.そして,茶小売業に注目し,消費者調査によって得られた実証データをもとに,消費者期待にもとづく茶小売業態を開発した.
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