初年度の研究計画(これまでの研究史・文献資料検索と分析、ドイツ現地調査)に基づき、広く研究史と現状に付いての多くの文献資料を収集し、それらの分析と整理を実施した。報告書に後述するように、テーマと関連する2学会、日本高等教育学会と日本商業教育学会での学会口頭報告、さらに学術論文2本を投稿した。それらは、特に職業教育という本研究テーマの基盤となるドイツの制度分析と特徴、特に実務教育重視の姿勢とその事例研究であり、初年度の研究にとって必要欠くべからざる課題であった。さらに、初年度に最初のドイツでの現地調査を実施、環境保全職種養成の実態調査と環境マネジメント職種の養成について、各企業でのインタビュー調査を実施した。 第2年度の平成15年度に於いては、研究計画(ドイツ現地調査によって収集した資料分析と整理、事例研究の文献との照合)に基づき、ドイツの法的な規制のもとにある「環境保全管理責任者」の存在の確認と当該職種の養成、さらに資格保持者の各企業における実態調査、聞き取り調査を実施した。この間、インタビュー調査によるものと聞き取り調査によるものとの資料収集によって、実際に実施されているドイツ企業での環境保全マネジメント担当者の存在と業務の分析を明らかにする事ができた。本研究テーマの核心部分である。この分析によって特に日本の実態との比較を通して、日本における職業教育野方法との対象性を明らかにする事ができたと確信している。これらの研究上の分析は、学術論文2本、口頭報告2本、にして報告した。 最終年度平成16年度は、研究を締めくくる計画、成果のまとめと整理、今後の課題に力を注いだ。特に、年度末には、環境保全意識のつよいモンゴルとの交流を踏まえて、国際シンポジウムでの報告、またモンゴル環境大学(エコ・アジア大学)での講演を実施した。現在報告書を纏め、研究図書として出版の準備を進めている。
|