わが国の組織論研究の代表的学術誌である、組織学会編『組織科学』(白桃書房)の創刊号・1967年(Vol.1-1)から2003年(Vol.36-3)までに同誌に掲載された論文より、主題、著者名、所属機関、キーワード、参考文献ならびに注についての全データをエクセルに入力・整理し、データベースを構築した。 平成14年度においては、試験的に1990年(Vol.23-1)から2002年(Vol.36-1)までの(1)著者別掲載回数(多く論文を投稿している著者は誰なのか)、(2)論文タイトルに使用された用語の頻度(どのような専門用語が論文タイトルの中で多いのか)、(3)キーワードの傾向(どのようなキーワードが多いのか)などを整理したが、本年度は全期間のデータから同様の作業を行った。その他では、(1)の著者別掲載回数と参考文献として取り上げられる回数の関係性を調べてみた。例えば、創刊号から2003年度までの期間で、掲載回数が最も多かった著者は野中郁次郎で20回、次いで加護野忠男、日置弘一郎、榊原清則が11回、三戸公、土方文一郎、奥村昭博、岡本康雄、河野豊弘、稲葉元吉が9回、佐藤慶幸、高橋伸夫が8回、三隅二不二、今田高俊、土屋守章、寺本義也、山田雄一、河合忠彦、金井壽宏、関満博、高宮晋が7回、大川信明、宮川公男、山倉健嗣、景山喜一、清成忠男、田尾雅夫が6回、そして二村敏子、二神恭一、北野利信、小野豊明、沼上幹、赤岡功、高瀬武典が5回と続く。また、同期間で最も参考文献として用いられてる文献の著者は野中郁次郎で399回、次いで加護野忠男198回、榊原清則102回、奥村昭博96回、金井壽宏69回、高橋伸夫65回、三隅二不二62回、土屋守章51回、寺本義也43回、今田高俊39回、河野豊弘36回、沼上幹34回、稲葉元吉30回、二村敏子29回、佐藤慶幸28回、高宮晋28回、北野利信23回、山倉健嗣23回、赤岡功20、日置弘一郎18回、高瀬武典16回、田尾雅夫15回、宮川公男15回、関満博15回、岡本康雄15回、山田雄一13回、清成忠男12回、河合忠彦12回、土方文一郎11回、三戸公6回、小野豊明5回、景山喜一5回、大川信明3回、二神恭一1回と続く。ここで参考文献登場回数と掲載回数との相関関係を調べてみると、相関係数はρ=0.83と非常に高く、論文が同誌に掲載されると参考文献として用いられる可能性が高いことが分かる。
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