本研究は、ドイツにおける経営のグローバル化と生産合理化の新展開というテーマの下で、ドイツの自動車メーカー、特にドイツ系ビッグ・スリーの積極的な海外展開の動向を踏まえながら、ドイツ国内での経営合理化の最近の動き【(1)チーム作業方式の展開とリーン生産方式の導入、(2)モジュラリゼーション(モジュール化)の進展とモジュール・サプライヤーからの調達拡大、(3)仕事量に応じた労働時間の弾力化と派遣労働・短時間労働者などの雇用の多様化】が持つ意味を探るとともに、これに対して労働側集合的利害代表(IGメタル・各事業所事業所評議会)がいかなる対応をしているのかを検討することを課題としている。 以上の研究課題に応えるために、過去2年間の一連の研究活動を踏まえて、成果の公表に努めた。とくに、学会において産業学会・自動車産業研究会において「ドイツ乗用車メーカーのグローバル化戦略とモジュール化戦略」と題して発表する(於:法政大学:2004年4月27日)とともに、工業経営研究学会において第19回全国大会(於:北海学園大学:2004年9月11日)において「工業経営研究の方法と課題-21世紀工業経営の理論と実践」と題するパネルディスカッションにおいて「共生型」モノづくりと正規雇用の新規創出-VW社「5000×5000」プロジェクトを中心として-と題する報告を行った。また『国際ビジネス研究学会2004年報』や『明治大学社会科学研究所紀要』において標記研究課題に関わる一連の研究成果を公表した。
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