研究課題/領域番号 |
14530159
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
今田 治 立命館大学, 経営学部, 教授 (50232608)
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研究分担者 |
田中 祐二 立命館大学, 経営学部, 教授 (40217089)
橋本 輝彦 立命館大学, 経営学部, 教授 (60066727)
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キーワード | 生産技術 / 生産システム / グローバル化 / アライアンス / 日産リバイバルプラン / 日産180 / 同時開発 / 共同購買 |
研究概要 |
日産自動車を中心に調査研究を行い、その成果を次の2つの論文にまとめた。 (1)「日産自動車のルノーとの提携による欧州戦略の変化-英国日産自動車、英国日産工場調査を基礎にして-」 (2)「自動車企業のグローバル化と生産技術部門-日産自動車を事例として-」 (1)では、最近の日産自動車の動向を事例にして、大きな経営環境の変化の中で、日本の自動車メーカーが経営・生産システム変革のために取り組んでいる実態の一端を明らかにしている。英国での聞き取り調査を基礎にして、次の点を主に考察した。 第1は、ルノーとの提携の主要な内容と、その経営・生産システムへの影響、第2は、欧州自動車市場の特色、第3は、欧州における関連会社(英国日産自動車製造会社、英国日産自動車会社)を事例にした販売、生産面での変化である。 (2)では、グローバル化、ルノーとの提携との関連といった大きな枠で、生産技術部門の役割を重点に生産システムをとらえるという視点から、日産自動車の生産技術部門を事例にして考察し、次の点を明らかにした。 今日、日本の主要な自動車メーカーは、国内生産・販売を一定維持しながら、世界各地域での事業展開、製品開発・生産の現地化展開、海外生産拠点のネットワーク化を一層進めている。そのために、世界全ての生産拠点で量的にも、品質的にも対応でき、しかも低コストの生産技術の開発、新車製造の迅速な生産準備、日本と海外拠点での同時開発、立ち上げの実現が可能なような機械・設備、工程設計の標準化、海外支援、人材育成などが生産技術部門に求められている。 日産自動車の生産技術本部は、大きく生産部門の中に位置づけられ、生産準備を中心に、生産技術開発、新車の生産準備、各種プロジェクトの計画・実施を主要な業務としている。生産面でのルノーとの連携は、世界各地での生産拠点の相互活用、プラットフォームなどの共通化といった点で進展しており、そこでも生産技術部門は工場の立ち上げなど、大きな役割を果たしている。ルノーとの交流は様々なレベルでなされており、日産とルノーの設計・技術思想、生産技術部門組織の違いなどが明らかになり、お互いの利点を活かすことができるように調整がなされている。その中で、あらためて日産の生産技術力の優位性が確認されている。
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