(1)環境配慮製品をめぐる広告・表示規制の研究 環境製品の表示について、ISO14020および14021、FTC(米国連邦取引委員会)環境マーケティング主張ガイド、ASA(イギリス広告基準協会)自主コードなどを分析した。全般的効果の主張、リサイクル可能、生分解可能などの環境主張ごとに表示要件を整理した。成果は「米国連邦取引委員会の環境表示規制および『リサイクル可能』表示をめぐる審決」(1)(2)、『立命館産業社会論集』第38巻第2号、38巻3号に発表した。 (2)環境配慮製品の広告表示をめぐる事例分析 ISO14021とFTCガイドを参照して、環境製品の広告事例を分析した。省エネ、節水などの比較表示では比較製品名と製造年度を明示すること、直近の旧モデルとの比較を原則とすることが必要である。各社独自基準による環境製品については、表示基準、評価方法の開示、他社製品との比較を可能にする工夫が必要である。視覚的表現(写真、イラストなど)に対する表示規制と自主コードが必要である。生分解性プラスチックについては、自然の土壌・水中に廃棄した場合の分解率・分解期間を明示すべきこと、管理された環境以外では合理的短期間に分解しない場合の限定条件を明示することが必要である。成果は、「環境配慮製品の広告における不当表示規制:消費者保護およびサステナブルな消費のための表示」『日本消費者経済学会年報』(2003年、近刊)に発表した。 (3)グリーン・マーケティングにおける消費者向け環境情報の開示 家電、パソコン、文具における環境情報の広告表示と情報開示について、ISO14021およびISO/IECガイド22を参照して分析した。自主基準による環境製品マークの情報開示では、表示規準の内容やデータの開示に企業間格差が大きい。自社基準の環境マークの信頼性を確保するためには、表示基準の公開が必要である。成果は「グリーン・マーケティングにおける環境製品の表示および情報開示の課題:環境ロゴマークと適合宣言を中心に」(日本流通学会年報『流通』第16号)に発表した。
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