研究概要 |
雑誌『會計』は,平成11年度まで日本会計研究学会の事実上の学会誌とみなされてきた雑誌であり,今日においてもわが国における会計学関係の代表的雑誌である。研究代表者の中野他は,すでに第二次世界大戦前の同誌所収論文を対象として,わが国における会計史研究の動向を分析し発表してきたところである。 そこで本研究では,戦後の昭和20年代から今日いたるまでの雑誌『曾計』所収論文のなかから,特に会計史研究に関するものを選定し,これを分析し,さらにデータベース化を進めることを目的としている。 本年度はまず,対象となる文献の選定作業を中心に行なった。具体的には中野の指示のもと,桑原が昭和20年代および50年代を,橋本が昭和30から40年代を,そして,清水が昭和60年代以降をそれぞれ担当し,対象とする文献の原案を作成し,その後メンバー全員で検討を行い,最終的に中野の判断でもって対象文献を確定した。これらの文献はすべて時代別,地域別,内容領域別に区分されると同時に,その概要がデータベースに収録されることとなっている。清水はこの他,これらをデータベース化するためのソフトの製作を開始した。 最終年度にあたる次年度は,分類基準の再確認および追加を検討した後,収集・選定された文献の分析作業を進め,これらをデータベース化し,印刷冊子とともにCD-ROMなどによる最終報告書の作成を予定している。 また本研究の成果を,わが国の雑誌に投稿し,よりひろく公表するほか,翌年に開催予定の会計史国際会議において発表することを予定している。
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