研究概要 |
連結納税制度が平成14年度から日本でも法制化されたが、本年度は下記の研究調査を行った。 第一に、文献研究としては、昨年度アメリカ・フランスの所得通算型のIRS,フランス税法について、今年度はこれに加えてドイツ、イギリスの損益振替型の税法について原文にあたって、我が国との比較研究を行った。 第二に、昨年度は連結納税の先進国であるアメリカの実態を知るために、University of Wisconsin Law School、Visiting scholarとなり8月に現地の公認会計士事務所で聞き取り調査を行ったが本年度は移転価格制度についても時価との関連でIRSの専門家の指導を受けた。 第三に、本年度は亜細亜証券印刷ディスクロージャー研究会の協力により非上場会社の調査も行った。 第四に、日本の連結納税の動向調査を東証第1部上場会社と東証第2部上場会社と非上場会社を対象約1700社に対して270社の回答を得た。 今回の研究で得た主たる知見:第一に、日本の連結納税制度について、,アメリカに比較して、繰越欠損金やキャピタルゲイン・ロスにおいて、グループの単一体概念が個別経済的概念に比較して強い為にSERY原則がなく厳しい内容であること。 第二に、日本の連結納税制度について子会社保有規模の大な会社や日本経済団体連合会経済本部税制グループ会社は導入研究や検討の進んでいること。 第三に、日本の連結納税の動向は、研究開発税制の創設により、アメリカのように国際企業が所得通算型のメリットを生かして今後急速に普及していくのと同様の傾向が生じてきている。 研究内容を学会関係者に知らしめ、且つ連結納税の動向調査を企業現場に知らしめる為の活動:第一に、日本会計研究学会、租税法研究会での口頭発表、学者への専門雑誌『会計』『ジュリスト』への論文掲載を行った。 第二に、会計士や企業向けの有力雑誌『経営財務』の掲載『税経通信』等への論文掲載を行って啓蒙に努めた。 第三に、アンケート回答結果を3回送付してフイードバックした。
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