研究分担者 |
川田 浩一 岩手大学, 教育学部, 助教授 (70271830)
沼田 稔 岩手大学, 教育学部, 教授 (50028255)
押切 源一 岩手大学, 教育学部, 教授 (70133931)
宮井 秋男 岩手大学, 教育学部, 講師 (70003960)
小宮山 晴夫 岩手大学, 教育学部, 助教授 (90042762)
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研究概要 |
(1)池田氏は,楕円モジュラ形式のHecke固有関数fからHecke固有関数になる次数2nのSiegelモジュラ形式Fを構成し,更にFに付随する標準的ゼータ関数をFに付随するゼータ関数のいくつかの積の形に表示した。W.Kohnenは,池田持ち上げをKohnen空間SからSiegelモジュラ形式の空間S(2n)への線形写像Iの形で再定式化し,次数2nのSiegelモジュラ形式のMaass空間M(2n)の定義をSiegelモジュラ形式のFourier係数の間のある種の線形な関係式として与えた。彼はまた同時に,池田持ち上げの像I(S)がM(2n)と一致するというKohnen予想を提出した。Maass空間を一般の次数のSiegelモジュラ形式に拡張することおよびリフテングの像を決定することは,Siegelモジュラ形式の持ち上げの研究の中で中心的な懸案の課題であった。 私はW.Kohnen氏との共同研究で,4|nおよび4|n-1の場合に池田持ち上げの像I(S)はMaass空間M(2n)と一致することを証明し,Kohnenの問題を肯定的に解決した。論文はCompositio Math.に出版予定である。 (2)Gross-Kohnen-ZagierによるFourier-Jacobi形式のフーリエ係数の平方をモジュラ形式のゼータ関数の中心値で表示する結果を,総実代数体上のHilbert-Fourier-Jacobi形式の場合に拡張した。すなわち,総実代数体上のガウス和の性質を用いて,総実代数体上のHilbert-Fourier-Jacobi形式からHilbertモジュラ形式への対応を構成し,Hilbert-Fourier-Jacobi形式のフーリエ係数の平方をHilbertモジュラ形式に付随するゼータ関数の中心値で表示する。
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