研究概要 |
本年度の研究計画は古典型ヘッケ環をアルティン代数の手法を用いて研究することであったが、とくに表現型の決定において完全な結果が得られた。結果を一言で述べればqをヘッケ環のパラメータ、Pw(x)をヘッケ環のポアンカレ多項式とするとき、q≠1の乗法的位数とqのPw(x)=0における根としての重複度がヘッケ環の表現型を完全に統制するというものである。この研究過程の中で得られた中間的結果は研究発表欄記載の通りであるが、上記最終結果についてはarXiv math. QA/0302136において公開済であり、また現在投稿中である。 また計画にあったGreen対応のヘッケ環への拡張についても結果を得て発表している。(裏面研究発表欄上から2番めの論文の後半部) tree classの決定については群環の場合の議論が適用できないことから、今後の研究が必要であり、何かアイデアが必要とされている。 本研究の結果古典型ヘッケ環の表現型がtameであるときはspecial biserial algebra(いくつかとBrauer tree algebras with square radical zero)しかあらわれないことがわかったので、finete, tameのときには直既約加群の分類が得られていることにも注意しておく。よく知られているようにwildのときは分類は絶望的なので、best possibleな結果であるといえよう。
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