研究概要 |
半整数ウェイトの場合のニューフォームの理論を構築するという研究目的達成のため,今年度は,昨年度までに得られた結果を一般レベルに拡張し研究を完成させることを目標とした.そのためにまず,表現とフーリエ係数の非零性との関連についての結果を2べきに限らない全ての偶数レベルに対して拡張していくことを目指した. 昨年度まで研究していたレベルが2のべきの場合と異なり,一般のレベルでは、奇素数を含めたすべての素数の場合を考えねばならない.奇素数については昨年度まで全く研究していなかったため,昨年度,素数2に対して行ったのと同様な計算をまず実行した.得られた結果は素数2の場合と基本的に同じものであり,それらは,期待されるニューフォームの理論と整合するものであった. ついで,昨年度まで研究してきた素数2の場合の計算を,奇素数の場合に用いた手法で計算しなおした.昨年度はやや異なる方法を用いていたのだが,その手法はやや冗長であると判断したためである.このとき,副産物として,レベル32でもツイスティング作用素が定義される場合がある事が判明した.これは今までだれも注意していなかった事であり,これによって昨年まで不可解であった「レベル32ではニューフォームが二重になる」という現象が極めて見通しがよく理解できることになった.これは今後の研究の第一歩となるだろうと期待される. 現在,いままでに得られた各素数での結果を取りまとめて一般レベルの結果を得るべく研究している.これが完成すれば,一般レベルのニューフォームの理論構築のための主要な道具が一つ完成したこととなる.
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