研究概要 |
3次元射影空間内のインテグラルカーブを定める4変数多項式環Rの斉次素イデアルIのベーシックシークエンスを (a ; n_1,n_2,...,n_a ; n_{a+1},...,n_{a+b}) (b>0)とする.次のことは以前から分かっている. (1)n_i=n_1+j-1がすべてのj(1<=j<=a')に対して成り立つようなa'(1<=a'<=a)があるとき,n_a'<=n_{a+1}である. さて,上の条件不等式を「n_i=n_1+j-2がすべてのj(2<=j<=a')に対して成り立つようなa'(1<=a'<=a)がある」というふうに変えたとき,n_{a+1},...,n_{a+b}にさらに強い条件を付け加えると,(1)と同様なことが成り立っことも以前から分かっている.この余分に付加する条件が外れないかというのが懸案であったが,それがうまくいき,次のことが成り立つことの証明を与えることができたようである. (2)n_i=n_1+j-2がすべてのj(2<=j<=a')に対して成り立つようなa'(1<=a'<=a)があるとき,n_a'<=n_{a+1}である. (2)の証明には,(1)の証明の議論をさらに細かく慎重に行った論法を用いるが,その過程では基礎体の標数を0と仮定する必要がある.「インテグラルカーブ」という条件は,以前と同じく(1),(2)どちらの場合も,「その曲線を含む超局面のうち次数が最小のものが既約である」という条件に置き換えて成り立つ.
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