研究概要 |
ベクトル空間のべき零線形変換f : V→VのJordan標準形のサイズがλ=(λ_1【greater than or equal】λ_2【greater than or equal】【triple bond】【greater than or equal】λ_l)のときtype V=λと書く。2つの分割νとμに対して、集合S(λ,ν,μ)={W⊂V;f(W)⊂W, type W=ν,type V/W=μ}は、Vのd:=|ν|次元部分空間のなすグラスマン多様体G(d, V)の中で局所閉集合になり、s(λ,ν,μ)のG(d, V)内でのZariski閉包X(λ,ν,μ)の既約成分は、shape λ/μ,content νのLittlewood-Richardson盤(LR盤)と1対1に対応することが知られている(LR盤Tに対応する既約成分をX_Tと書く)。べき零行列の共役類の閉包に関する事実から類推して、以下の結果を得た。 (1)S(λ,(1^k),μ)はいくつかのScubert cellの和集合、X(λ,(1,^k),μ)はSchubert多様体である。(2)(V, f)の自己同型群A(V, f)に関してS(λ,ν,μ)は等質空間でないので非特異性、有理性は明らかでないが、S(λ,(1^k),μ)の等質性と自己同型群A(V, f)の構造からS(λ,ν,μ)は非特異有理多様体であることがわかる。(3)X(λ,ν,μ)は、分割のdominance半順序〓に関してv^^-〓ν,μ^^-〓μなるものに関するS(λ,ν^^-,μ^^-)の和集合に含まれる。(4)generic vectorsを定義して、これを具体的に構成するアルゴリズムを与えた。これによりX_Tの生成点が具体的に構成できて、νの列の大きさが小さいときはX_T⊂X(λ,ν,μ)の定義方程式が容易に記述できる。(5)X_Tの特異点集合がS_<T^^->の和集合でない例の構成。(6)(3)に関する半順序〓に関して、shape T^^-〓shape T,content T^^- = contant Tであるにもかかわらず、X_<T^^->がX_Tに含まれない例の構成。(7)余次元2の特異点集合をもつあるX_Tのアフィン座標環(超曲面)を具体的に記述した。
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