研究分担者 |
中村 憲 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80110849)
栗原 将人 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (40211221)
徳永 浩雄 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (30211395)
松野 一夫 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (40332936)
中野 伸 学習院大学, 理学部, 助教授 (40180327)
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研究概要 |
有理数体Q上の既約な3次式P(X):=X^3+aX^2+bX+cに対して3次曲線E:w^3=P(u)を考え,そのQ上の有理点全体(無限遠点を含む)をE[Q]とする.またξをP(ξ)=0を満たす複素数とし,W(ξ):={α=qξ+r|q,r∈Q,N_<Q(ξ)/Q>(α)=1}とすれば,W(ξ)からE[Q]への自然な全単射が構成される.このW(ξ)は,ξのアフィン変換ξ→sξ+t,s,∈Q,s≠0,で不変であるので,Eは二つのMordell曲線y^2=x^3-2^43^3A^2,y^2=x^3-B-2(B+3),A,B∈Q,のいずれかとQ上で同型になる.前者はFermat曲線の純3次捻りX^3+Y^3+AZ^3=0のshort formであって古典的である.一方,後者については,B=-4または-8/3以外なら,Mordell-Weil rankは正であることが示され,さらにその部分族でrankが2以上になるものも3次体Q(ξ)との関連から構成されている. また,P(X)が生成的な3次巡回多項式である場合にそのshort formも考察され,さらに,W(ξ)に注目してHilbertの定理90から得られる楕円曲線とのQ上の同形写像が構成された. 本研究ではパラメータを一つ含む楕円曲線族を扱っているが,これらは自然に楕円曲面と見なされる.この種の曲面は代数幾何学的にも研究され,semi-stableな特異ファイバーしか持たないextremalな楕円K3曲面のMordell-Weil群に関するMiranda-Perssonの問題が研究分担者の徳永によって解決された.さらに,楕円曲面のMordell-Weil群上の1次方程式の可解性について考察し,その結果が二面体被覆の研究に応用された. 内外での研究集会において,基調講演を含む成果の発表が研究期間を通じて活発に行われた.さらに海外から研究者を招聘して情報をいち早く収集するとともに,研究課題を歴史的にも検討し,関連する諸分野との繋がりと広がりのなかにその位置づけを与えた.
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