研究概要 |
まず半安定環元に伴う(古田型の)局所符号数の変動項を明示的に表すという目標について,Atiyah-Singerの同変符号数定理を応用して達せられた。答は,Valency, screw number等のNielsen-松本-Montesinosによるモノドロミー情報からDedekind和を用いて書き下すことができる。 その公式の形は,京大数理研講究録No.1345中の筆者の解説記事pp.203〜237中に書き下してある。 また,吉川謙一氏の定義した井草保型形式を経由する局所符号数を,古田幹雄氏のワク組みで理解することもほぼ可能になりその論点は上の解説記事にも入れた。ただケーラー計量のとり方にもっと精密に議論すべき点があることを吉川氏に指摘されたので,その方面はまだ考察中である。 また吉川氏の局所符号数の半安定環元に伴う変動項も,正則Lefschetz不動点定理(Atiyah-Bott-Singer-Segal)を応用することにより可能になり,そのことを16年3月の研究集会「Hodge理論・退化・複素曲面の代数幾何とトポロジー」の講演の中で発表した。 以上の成果を論文にまとめるべく,現在準備を進めている。
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