研究課題/領域番号 |
14540044
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
吾郷 孝視 東京理科大学, 理工学部・数学科, 教授 (60112893)
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研究分担者 |
原 民夫 東京理科大学, 工学部・教養, 助教授 (10120205)
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90178319)
庄司 俊明 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40120191)
田中 隆一 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10112898)
細尾 敏男 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30130339)
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キーワード | 類数 / ベルヌイ数 / L-関数 / 非正則素数 / ステッケルベルガーイデアル / マイレ行列 / 岩沢理論 / クンマー合同式 |
研究概要 |
本年度は次の2つの目的があった。(1)円分体Kの不変量である類数すなわちOでないイデアル全体がなす乗法群O_Kを単項イデアルP_Kで類別して得られるイデアル類群O_K/P_Kの位数を調べることにより、類群の構造を解明すること。(2)類数のp-整除性やその素因数問題が深く関係するベルヌイ数の性状と非正則素数の分布を解明すること。 (1)については、円分体のガロア群に対する群環のStickelberger部分イデアルとFueter合同式系が関係するDemyanenko型行列の特性を研究した。一般論としては大きな成果は得られなかったが、特にMaillet型およびInkeri型行列に対応するStickelbergerイデアルの基底を構成することができ、それにより新しい類数公式が完成した。この公式の代数的意味付けと類群の構造の解明については、今後の主要課題となる。(2)については、まずゼータ関数値との関わりの中でベルヌイ数の性状を研究した結果、1つの成果としてアンブラ手法によってRamanujanの関係式に別証明が求まり、新しい解釈を与えることができた。またベルヌイ数とFermat-Euler商を含む関係式を開発することができ、1つの応用としてp-進L関数の構成に必要なKummer型合同式や平方剰余の分布と2次体の類数が関係する古典公式を包含した新しい公式を与えることができた。非正則素数については、既存のアルゴリズムを改良して類数の組成因子とベルヌイ数に関する多くの数値データを集積したが、それらのデータ分析から高位の非正則双の特性を現在研究中である。
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